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果樹授粉を効率化 静電風圧式の機械26年販売へ
【静岡】静岡県農林技術研究所と県果樹研究センター、農業機械開発メーカーのミツワ(新潟県燕市)が授粉作業の効率化・省力化を目的に開発を進めてきた静電風圧式受粉機が、2025年に限定販売、26年に正式販売される。これに先立つ24年10月中旬には、果樹研究センターが説明会を開いた。生産者や県内JAの担当者ら約80人が参加した。
梨とキウイフルーツなどの果樹では安定した着果のために人工授粉が欠かせない。輸入花粉を使うケースが多いが、梨は主な輸入先の中国で火傷病が広がり、23年8月から輸入停止となっている。キウイフルーツ花粉も病害の影響で輸入品の価格が高騰する。
花粉を花に向けて飛ばす時に、先端の電極で花粉を帯電させて、雌しべへの付着率を上げる仕組み。4月に磐田市の梨農家で「幸水」を対象に行った調査では、花粉使用量、作業時間とも約80%削減できた。
同機を操作した生産者は「軽くて作業は楽。興味があり、発売を心待ちにしていた」と話す。製造・販売するミツワは「25年の限定販売は、すでに販売先が決まっている」とし、現在26年の購入希望者を募集している。
(日本農業新聞 2024年 11月17日付掲載)